論文の準備をしよう
今週末の秋試験はITストラテジストを受験します。
昨年も受験しましたが午後1で不合格でしたので、論文は読まずに捨てられました。
そんな私が書いても説得力に欠けるのではありますが、自分の準備の為に書いています。
論文試験はITサービスマネージャ、システムアーキテクト、プロジェクトマネージャは合格しています。
プロジェクトマネージャは午後2落ちして、2回目の合格でした。
春に受けたシステム監査技術者は、論文B判定で落ちてます。
採点講評にヒントがある
論文試験には3区分で合格しているので、書く分量やら章立ての方法やらはマスターしているつもりです。
ということで、今回は論文を書く練習はしていないのですが、作戦だけは立てておきます。
採点講評をざっくり眺めてみたところ、結構ヒントがつまっていますね。
まずは全問に共通してで始まる文言がほぼ同じですので引用してみます。
H21年度
全問に共通して、”ユーザ企業・組織における課題への取組や問題点に対する具体的な解決策を求める問題”であり、この趣旨に沿って論述することが重要である。
この年度は他とニュアンスが違っている気もしますが
H22年度、H23年度、H26年度
全問に共通して、ITストラテジストとしての経験と考えに基づいて、設問の趣旨に沿って論述することが重要である。設問の趣旨から外れた論述や具体性に乏しい論述は、評価が低くなってしまうので、是非、留意してもらいたい。
この3回は、ほぼコピペ状態で全く同じ文言でした。
H24年度
全問に共通して、ITストラテジストとしての経験と考えに基づいて、設問の趣旨に沿って論述することが重要である。設問の趣旨から外れた論述や具体性に乏しい論述は、評価が低くなってしまうので、是非、留意してもらいたい。また、論述の対象とする構想、計画、システムなどの概要が適切に記述されていないものが目立った。論述の対象とする構想、計画、システムなどの概要は論述の一部であり、適切な記述が求められている。
H25年度
全問に共通して、ITストラテジストとしての経験と考えに基づいて、設問の趣旨に沿って論述することが重要である。設問の趣旨から外れた論述や具体性に乏しい論述は、評価が低くなってしまうので、是非、留意してもらいたい。また、”論述の対象とする構想、計画、システムなどの概要”又は”論述の対象とする製品又はシステムの概要”が適切に記述されていないものが目立った。これらは論述の一部であり、適切な記述を心掛けてほしい。
構想、計画、システムなどの概要は、論文とは別に書くアンケートみたいなやつですね。採点対象ということでしょう。
H27年度
全問に共通して、”論述の対象とする構想、計画、システムなどの概要”又は”論述の対象とする製品又はシステムの概要”が適切に記述されていないものが目立った。これらは論述の一部であり、適切な記述を心掛けてほしい。また、解答字数の不足した答案が例年より多く見られた。
ITストラテジストとしての経験と考えに基づいて、設問の趣旨に沿って論述することが重要である。問題文及び設問の趣旨から外れた論述や具体性に乏しい論述は、評価が低くなってしまうので、是非、留意してもらいたい。
最初に構想、計画、システムなどの概要の話を持ってきています。やっぱり重要ということですね。さらに字数不足の指摘も追加されています。
他の試験区分でも言えることですが、ITストラテジストとして、という意識が重要ということでしょう。逆に言うと、これを守れずに合格論文にならなかった人が多かったということですね。
個別の問題では
特徴的な部分を抜粋してみると
システム化構想の事業施策との関係性や、幅広い角度からの仕組みの検討についてまで論述したものは少なかった。 H21年度 問1
また、原因としてシステム要件の不備を記述したものや促進策としてシステムの機能改善に終始したものも散見された。 H21年度 問2
概ね出題趣旨に沿って論述しているものが多かったが、事業環境の現状把握にとどまり将来動向の論述に至らないものや、対象システムの現状の課題とその解決策についての論述に終始しているものも散見された。 H22年度 問1
業務の見直しの内容の論述に終始して、業務の見直しの観点が論述されていないものや、システムの機能改善や処理改善の論述に終始したものが少なくなかった。 H22年度 問2
事業方針・戦略策定などの非定型業務を中心的な対象範囲とする先進的な情報通信技術を活用したワークスタイル改革まで論述できていたものは少なかった。 H23年度 問1
また、システム選定方針ではなく、個別システム開発の方針に終始した論述も見られた。 H23年度 問2
しかし、戦略の中身が不明瞭であったり、事業課題、システム課題への取組に終始していた論述も散見された。 H24年度 問1
また、事業継続計画の策定内容としているものの、システム改善、システム再構築などの内容に終始している論述も見られた。 H24年度 問2
一方、業務改革でなく、業務上の問題点の改善、システムの改善に終始した論述、費用対効果の定量的な根拠を具体的に説明できていない論述が散見された。 H26年度 問1
しかし、個別システムのクラウドコンピューティング導入方針に終始し、全体システム化計画との整合性、情報システム基盤構成方針との関係性が明確でないものも散見された。 H26年度 問2
一方で、グローバルな事業戦略、事業戦略にひもづいた業務改革について十分な記載がなく、システム開発、システムへの機能追加、システム統合などの記載に終始していた論述が散見された。 H27年度 問1
一方で、個別システムのサブシステム、個別機能の優先順位・導入スケジュールの論述に終始しているものも散見された。 H27年度 問2
全体的に見てみると
...終始しているものも散見された...
この表現が目立ちます。
個別のシステムについてだけ書いても合格論文にならないというメッセージでしょうか。確かに個別のシステムについての方が書きやすいので、そっちにひっぱられそうです。
ITストラテジストの位置付けから考えると
経営戦略を意識して、単なる業務改善や機能改善ではなく業務改革と呼べるようなもの、つまり将来経営が改善されるような内容を準備しておく必要がありそうです。そして、論述にあたっては、より具体的に経営戦略からシステム化に至るまでの過程を根拠を示しながら書く必要があるのでしょう。
まとめ
何を求められているかはわかりましたが、実際に書けるかどうかが勝負ですね。
前回午後1落ちなので、今回は午後2を読んでもらえるように頑張ります。
しかし、午後1はなかなか模範解答に近づきません。国語が弱い...。